2007年06月14日
アジアのオレフィン相場が急落
極東のエチレンは1,000ドル強に
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 アジア全域でオレフィンのスポット相場が急落してきた。台湾と韓国でエチレンプラントの新・増設分が相次いで稼動を開始したことによって市場に余剰感が広がってきたのが大きく影響していると見られる。
 
 複数の大手商社の調べによると、アジア地域における直近のオレフィンのCFR価格の中値は、極東のエチレンがトン当たり1,075ドル、東南アジアのエチレンが同1,135ドル、極東のプロピレンが同1,050ドル、東南アジアのプロピレンが同1,075ドルとなっている。
 一週間前に比べると、エチレンは極東で同45ドル、東南アジアで同65ドル下がっている。プロピレンは極東では同10ドルの下降にとどまっているが、東南アジアでは同45ドルの下落になっている。
 今年の最高値に比較すると、極東のエチレンは同235ドル、東南アジアのエチレンは同180ドル、極東のプロピレンは同100ドル、東南アジアのプロピレンは同145ドルもの下降ということになる。
 
 ナフサの国際スポット相場は引き続き高止まりしている。しかしアジア市場のオレフィンユーザーとトレーダの多くは、最近の台湾FPCCによる年産120万トン能力の新設備の稼動開始と、韓国SAMSUNG TOTALの同20万トンの増設プラントの操業開始でアジア地域全体のエチレン需給バランスに完全に余裕が生じることになったと判断してサプライヤー側に値下げを強く要求している。
 現在アジア地域では、タイのPTTと韓国のYNCCがエチレンプラントを運休中。しかし今月末にはともに稼動を再開する見通しなので、スポット相場が急反騰する可能性は低いというのが一般的な見方となっている。