2007年06月19日
MPHSのPH設備が明日から長期運休
定修に併せて年5万トンの能力増強へ
【カテゴリー】:経営(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学95%、三井物産5%の共同出資による「ミツイフェノールズシンガポール(MPHS)」は20日、シンガポールの年産25万トン能力のフェノール(PH)装置の操業を休止して定修を実施するとともに年産5万トンの能力増強工事にも着手する。
 
 このための運休期間は約2ヵ月となる見込み。完工後の三井化学グループのPHの総生産能力は92万トンとなる。内訳は、同社大阪工場が20万トン、千葉工場が19万トン、出光興産との合弁の千葉フェノールが23万トン、MPHSが30万トンとなる。
 
 PHの最近のアジア地域における需給バランスは、中国を中心とした需要の順調な拡大に生産能力が追いつかないでいるためタイト化が進んでいる。こうした中で、MPHSの大型装置が長期にわたって運休すると品不足感が一段とアジア市場全体に深まっていくことになる。現在のアジア市況は中国のCFR価格を例にとるとトン1,600ドルで、5月の平均を100ドル上回っている。原料ベンゼン並びにプロピレンの価格の高騰によるもので、1年前に比べると300ドル高い。