2007年06月20日
プライムポリマー、事業構造改革への着手を表明
「フェーズ〓」の合理化はいち早く目標をクリア
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:プライムポリマー

 プライムポリマーは20日、定例の記者懇談会を開き、合理化の徹底を主眼とした05〜07年度の中期計画「フェーズ1」の進捗状況と、事業構造改革を主目的とする08〜09年度の経営強化戦略「フェーズ2」の概要ならびに次の10年に向けての経営課題等を明らかにした。
 
 懇談会には木村峰男社長、濱田眞治副社長のほか、岩淵滋・次期社長と古賀義徳・次期取締役が出席した。はじめに同社が創立して2年における統合シナジーの順調な達成状況(フェーズ1の進捗状況)を説明、次いで、今後取り組む事業構造改革計画の内容を紹介した。

 「フェーズ1」の進捗状況については、06年度における統合シナジーが56億円に達して当初目標にしていた42億円を大きく上回ったとし、続く07年度はさらにステップアップして80億円の効果が上げられる見込みだと説明した。08年度は101億円を目指す。

 一方、「フェーズ2」に関しては、(1)ビルド・アンド・スクラップ方式による年産20〜30万トン能力のPP(ポリプロピレン)設備の建設(2)インドにおける自動車用PPコンパウンドの年産1万5,000トン工場の新設(3)同じく自動車用PPコンパウンドの欧州における供給体制の強化(4)メタロセン触媒によるHDPE(高密度ポリエチレン)事業の本格展開(5)メタロセン触媒による直鎖状低密度ポリエチレン(商品名エボリュー)設備の増強(6)メタロセン触媒によるPPの新規高付加価値品種の育成(7)内外の有力ポリオレフィン企業との提携等、厳しい国際生存競争を勝ち抜いていくための多彩な体質強化策を着実に実行していく考えを示した。

 インドでのPPコンパウンド計画については、今年8月に「ミツイプライム アドバンストコンポジット インディア」を設立し、08年第3四半期末にデリー近郊に2系列合計1万5,000トンの設備を完成、09年第2四半期から日系自動車メーカー向けに供給を開始する方針。

 また、次の10年に向けての取組みについては岩淵・次期社長が(1)真の競争力の獲得(2)グローバル化への取組み(3)各産業分野への戦略的取組み(建築や医療分野等の事業者との連携)(4)川上・川下との連携(5)環境との共生の5項目を基本課題に掲げ、それぞれのテーマを「着実にクリアーしていきたい」と語った。そのため、08年1月までに具体的な実行計画である「08年中計」の内容を固めることにしていると強調した。