2007年06月20日
PVCの5月の出荷は再び前年超えに
国内向けの不振を輸出の増加がカバー
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 PVC(塩ビ樹脂)の5月の出荷数量は178,060トンとなった。前年同月を6.5%上回っている。4月の出荷は5ヵ月振りに前年同月を割り込み、このため同樹脂業界の中には先行きを警戒する向きも現われていたが、蓋を開けてみると逆にかなり高い伸びとなった。
 
 もっとも、国内向けは105,524トンで前年同月を3.4%下回っている。3ヵ月連続の前年同月割れである。電線向けは1.1%増であったが、硬質向けが4.2%、軟質向けが4.9%それぞれ前年を下回ったのが響いている。

 記者会見した塩ビ工業・環境協会の土屋隆会長(東ソー社長)は、国内出荷が前年割れとなった点について「前の年を大幅に上回った昨年5月から6月にかけての活発な出荷の反動が出た。住宅着工の減少でパイプ向けの需要が低迷しているのが大きい」と指摘、加えて「引き続き前年を大きく下回ることはないにしても楽観は今後も禁物」と先行きに対する厳しい見方を示した。
 
 一方、輸出は5月も前年比25.1%増と好調で、10ヵ月連続の前年超えとなって国内向けの不振を完全にカバーした。「中国や東南アジア向けに加えてインドや中東といった新たな需要先の開拓が順調に進んでいる」(土屋会長)という。
 
 VCMの5月の出荷は254,019トンで前年同月を7.8%上回った。5ヵ月振りの前年同月超えである。輸出は1.8%減となったが、国内向けが12.2%増えて輸出の落ち込みをカバーした。


ニュースリリース参照
○塩ビ樹脂生産出荷実績表
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1182324879.xls

○塩化ビニルモノマー生産・消費・出荷実績表
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1182324879.xls