2001年07月02日
フィリピンの軟質PE製品の輸入が急増
PE袋でもフィルムでも一気に上位に
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:財務省

 財務省の5月の輸入通関速報によると、ポリエチレンフィルム等(輸入通関コード=3920.10-000)とポリエチレン袋(同=3923.21-000)の輸入通関数量は依然として両製品とも前年同月を大きく上回っているが、この中で特に目を引くのはフィリピン製品の急増振りであり、多くの関係者が成り行きを警戒している。
 ポリエチレンフィルム等の5月の総輸入数量は6,520トンで前年同月の実績を22.2%上回っている。トップは韓国品で2,064トン、2位はマレーシア品で1,486トンとなっており、これら2ヵ国が他の国を大きく引き離している。しかし、伸び率は断然フィリピン製品が高い。5月の輸入数量は455トンなので韓国品やマレーシア品をまだ大幅に下回っているが、前年同月に比較すると17.5倍という規模に膨らんでおり、驚異的な成長を遂げているといえる。数量面でのランクも台湾品に続く第4位に上がってきている。1~5月の累計は1,857トンで、ランクは第5位。対前年同期比は71.4倍に達している。
 一方のPE袋でもいつのまにか頭角を現してきている。PE袋の5月の総輸入数量は2万2,806トンで、伸び率は10.9%であった。うち、トップは相変わらずダントツのかたちの中国品で、数量は8,136トン、前年同月比は119.6%となっている。中国品以外で伸びが目につくのは、ランク第2位のタイの9.1%増(3,909トン)と第4位のマレーシア品の36.0%増(2,367トン)ていどである。
 こうしたなかで急速に台頭してきているのがフィリピン製品だ。5月の輸入数量は938トンで、1,000トンの大台に迫ってきている。ランクは6番目だ。伸び率は8.8%である。平均を下回っているが、これは、量の面でダントツの中国品の伸び率が28.8%と極めて高いことによるものといってよい。1~5月の累計は4,801トンで、伸び率は17.2%という高率だ。ランクは第6位となっている。しばらく以前までは“その他”扱いされる存在であったが、この状態が続くとわが国のポリエチレン製品業界にとって無視できない国となろう。