2007年06月27日
ポリオレフィンの出荷、最大消費分野が軒並み縮小
LDは射出が、HDは中空が、PPは押出がカバー
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 ポリオレフィンの国内向け出荷は5月も前月に続いて3樹脂揃って前年同月を上回ったが、3樹脂それぞれの最大消費品種の出荷数量は逆に軒並み前年同月を割り込むというめずらしい姿となった。
 
 LDPEのフィルム用は71,669トンで前年同月比1.2%減、HDPEの同じくフィルム用は29,075トンで同0.5%減、PPの射出成形用は132,120トンで同1.1%減となっている。いずれも縮小幅が小さいものの、3品種揃っての前年同月割れは過去1年では昨年12月とこの5月の2度だけ。LDPEのフィルム用では農業用の16.7%減が、HDPEのフィルム用では極薄・強化用の3.7%減が、そしてPPの射出成形用では雑貨用の3.5%減とパレット・コンテナー用の19.4%減がそれぞれ足を引っ張っている。

 このように最大消費品種が軒並みマイナス成長となったにもかかわらず3樹脂とも国内の総出荷数量が5月も前年同月を上回ったのは、かねてから消費量が2番目なり3番目なりの規模となっている品種が順調な伸びを遂げたため。
 LDPEでは射出成形用の9.3%増が、HDPEでは中空成形用の4.8%増が、PPでは押出成形用の7.9%増がそれぞれの最大消費品種の落ち込みを大きくカバーした。
 
 1月から5月までの累計も、LDPEとHDPEのフィルム用はそれぞれ0.6%と3.8%の前年同期割れとなっている。ただし、LDPEの場合は射出成形用と加工紙用が、またHDPEでは繊維用とその他がそれぞれ順調に伸びたため国内向け総出荷量はLDPEが0.7%増、HDPEが0.3%増といずれもごくわずかながら前年同期を上回るかたちとなっている。PPの場合は、射出成形用が1.6%増と着実な伸びを遂げてフィルム用の0.3%減を補ったためトータルでは1.7%増となっている。