2007年06月29日
「化管法」の“見直し”審議が終了
産構審と中環審が「中間とりまとめ」
【カテゴリー】:環境/安全(行政/団体)
【関連企業・団体】:環境省、経済産業省

 産業構造審議会の下部機構である化学・バイオ部会化学物質政策基本問題小委員会化学物質管理制度検討ワーキンググループと、中央環境審議会の下部組織である環境保健部会化学物質環境対策小委員会は29日に第6回合同会合を開き、「化管法(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律)」の施行状況に対する評価と課題の抽出(見直し)に関するこれまでの論議を整理した統一見解を取りまとめて、経済産業省と環境省に「中間取りまとめ」として提出した。
 両省では近くこの内容についてパブリックコメントを募集し、その結果も参考にしながら今後の行政に生かしていく。

 産構審と中環審がそれぞれの専門組織を設置して化管法の見直し論議を進めてきたのは、化管法の附則第3条で「同法の施行後7年が経過した時点で同法の施行状況について検討し、その結果に基づいて必要な措置を講じること」と規定されているため。

 この日、まとめられた統一見解の内容は「化管法の概要と実施状況」「PRTR制度に関する課題と方向性」「MSDS制度に関する課題と方向性」「化学物質の自主管理に関する課題と方向性」「おわりに」の計5項目で構成されている。

 ポイントと言える「おわりに」の項目の中では、化管法が果たしてきた役割について「事業者の自主管理に進展が見られるなど、化管法の仕組みは相当程度定着していると評価される」と論評、「したがって、引き続き同法による施策を進めていくべきと判断される」と結んでいる。

 ただし、「対象物質の見直し、PRTRデータのさらなる活用、自主管理状況のフォローアップ、リスクコミュニケーションの推進、人材の育成、廃棄物の処理方法の記載、NSDS制度のGHSとの整合に向けた取り組みなどいくつかの課題も存在する」と指摘して、関係者による一層の改善を求めている。