2007年07月03日
プラ製容器包装の収集と再商品化が順調に推移
5月の再商品化は5ヵ月連続の前年超え
【カテゴリー】:環境/安全(行政/団体、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:日本容器包装リサイクル協会

 日本容器包装リサイクル協会が容器包装リサイクル法に沿って全国の市町村から5月中に引取った分別収集プラスチック製容器包装の総数量は52,093トンとなった。前年同月の実績を6.4%上回っている。2ヵ月連続の前年同月超えである。過去最高だった今年1月の50,244トンの記録を4ヵ月振りに更新した。

 白色の発泡スチロール製食品用トレイを除く「その他プラスチック製容器包装」の引取り量は52,017トンで同6.4%増となっている。これも過去最大の規模となった。

 一方、専門事業者を委託先に起用しての再商品化(リサイクル)量はプラ製容器包装全体で29,784トン、その他プラ製容器包装で29,718トンとなった。前年同月比はいずれも5.2%増となっている。ともに5ヵ月連続の前年同月超えである。

 依然としてリサイクル量が引取り量を大幅に下回る状態が続いている。リサイクル関係企業によると、その最大の要因は、マテリアルリサイクルを目的に引取られる容器包装の中にリサイクルが不可能な異物や汚れのひどいものがかなり混入している点にあるようだ。

 リサイクルのほとんどを占める「その他プラ製容器包装」の5月の手法別リサイクル実績は、プラスチック製品化(マテリアルリサイクル)が前年同月比23.6%増の13,178トンでトップを占め、以下コークス炉化学原料化が同9.8%減の11,682トン、高炉還元剤利用が同17.4%減の2,549トン、合成ガス化が同69.6%増の1,939トン、熱分解油が同7.0%減の370トンと続いている。

 この数字を見る限り、マテリアルリサイクルが大幅に伸びているからこそリサイクル全体が順調に拡大している印象を受ける。関係者の多くは、マテリアルリサイクルの伸び率が高いのは、もともと同手法が毎年の入札で最優先されて十分な量が回されるからにほかならないと指摘する。

 最大の問題は、せっかく大量の製品を確保したにもかかわらずその中に異物や汚れのひどいものがかなり混入しているため埋め立て処理を余儀なくされるケースが多い点にあり、それがリサイクル量全体が引取り量を大きく下回る結果をもたらしているとも言う。こうした実態は政当局でも把握しており、最近はマテリアルリサイク優先の入札スタイルを見直すべきと主張する向きも現われている。