2007年07月03日 |
旭化成、新規キラルリガンド「CBHA」工業化へ、世界初 |
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術) 【関連企業・団体】:旭化成ケミカルズ、旭化成ファインケム |
旭化成ケミカルズの子会社、旭化成ファインケム(本社;大阪市西淀川区、森山直樹社長)は3日、光学活性体の開発・製造用不斉酸化触媒に用いられる、新規キラルリガンド(触媒配位子)「キラルビスヒドロキサム酸リガンド<CBHA>」の工業化技術を世界で初めて確立したと発表した。今月9日から試験販売を開始する。 「CSHA」は医薬品開発・製造時に従来の不斉酸化用リガンドでは使えなかったり、低い光学純度しか得られなかった領域に用いることで、高い光学純度が得られる。酸化反応を行う際の安全性の大幅な改善、製造プロセスの簡略化も期待できる。 「CBHA」は、シカゴ大学の山本尚教授が開発した、ビスヒドロキサム酸構造を持つ不斉酸化用新規キラルリガンドで、パナジウムやモリブデンなどの金属と組み合わせ触媒として使用することで従来の不斉酸化技術の課題が解決できる。 工業化技術は山本教授の指導のもとで開発した。シカゴ大学、科学技術振興機構(JST)から同技術の特許優先実施権を取得、市場展開することにした。試験プラントは延岡工場にあるが、事業化規模などは今後具体化する。 「CBHA」の主な特徴は次の通り。 (1)幅広い基質に対して高純度の光学活性体が得られる (2)反応条件がマイルドで後処理操作も容易 (3)プロセス面、環境面での安全性が高く、スケールアップしやすい (4)開発のスピードアップと工業化におけるプロセス簡略化。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1183448654.pdf |