2007年07月05日
三井化学、PHの輸出価格を再引き上げへ
中国向けの7月分、1,660ドルでオファー
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学はフェノール(PH)の7月のアジア諸国向け輸出価格をトン当たり40ドル引き上げることにして、各国の需要家各社と折衝を開始した。最大の消費国である中国向けの価格については、CFR同1,660ドルとする考え。
 
 アジア地域におけるPHの需要は、今年に入ってもBPA(ビスフェノール-A)向けとフェノール樹脂向けを中心に引き続き順調な伸びを遂げている。一方の供給量は、3月以降にフェノールメーカーの定修による運休が相次いでいるため引き合い数量を若干下回る状態が続いている。現在も、ミツイフェノールシンガポールの年産25万トンプラントと三井化学・堺の同20万トン装置が定修のため運休中。いずれも大型装置なので同地域全体のPHの需給バランスにおよぼす影響は大きい。
 このため、今回の同社のオファー価格が市場に受け入れられる確度はかなり高いと見られている。狙い通りうけば、3月の平均を120ドル上回るレベルになる。ただし、最近は主原料のベンゼンのスポット価格が各地で小反発しているので、8月のPHの輸出価格はもう一段の引き上げが必要になるかも知れない。