2007年07月06日
ANのアジア相場がさらに上昇
需給逼迫でインド向けは1,820ドルに
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 AN(アクリロニトリル)のアジアにおけるスポット価格がここにきてさらに上昇してきた。ANメーカー筋によると、直近のCFR価格はインド向けがトン当たり1,820ドル、比較的安い中国向けでも1,760ドルとなっている。
 
 1ヵ月前に比べると、アジア全体の平均で50〜60ドルの値上がりとなっている。年初に比較すると平均で210ドル上昇したことになる。
 
 上昇が続いているのは、需要がABS樹脂向けを中心に前年を10%前後上回る勢いで伸びているのに対して、BASFの英国の年産30万トン能力装置のうち15万トン分が5月以降長期運休していることや台湾並びに米国でもAMプラントの小トラブルが発生したこと等で総供給量が総需要量を下回る事態になっているため。台湾や米国のトラブルは6月末に解決した模様だが、BASFの15万トン設備の再稼動は今月末となる見通し。したがって、8月一杯はこれまでにないタイトな状態が続く公算が濃厚と見られる。
 もっとも、原料のプロピレンの価格は最近のナフサ価格の急反発によって再上昇が必至の見通しとなっている。このためANメーカーとしては、引き続き値上げに挑戦していかざるを得ないようだ。