2001年06月28日
PSダンピング輸出問題で中国に「官民合同ミッション」
経済省の本庄化学課長、業界首脳ら来月下旬訪中へ
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:東洋スチレン、日本ポリスチレン、経済産業省、日本スチレン工業会

 経済産業省の本庄孝志化学課長は、わが国PS(ポリスチレン)の中国への輸出をめぐって、中国政府が「ダンピング調査」を行っている問題で中国政府と直接意見交換するため7月下旬にも訪中する。このほど中国側と日程の調整に入った。

 業界からも松上孝東洋スチレン社長(日本スチレン工業会会長)や阪本寿一日本ポリスチレン社長(同工業会海外委員長)ら首脳クラスが同行する意向で、実現すれば初の官民合同ミッション派遣となる。

 中国政府が日本、韓国、タイ3カ国から輸入されるPSに「アンチ・ダンピング」容疑をかけ、本格調査を開始したのは今年2月だった。

 日本はメーカー5社(東洋スチレン、日本ポリスチレン、A&Mスチレン、出光石油化学、大日本インキ化学)が調査を受けたが各社ともそれぞれ(1)わが国からのPSの中国への輸出は過去数年絶対量でも各国との相対的比率でも減少している(2)輸出品の中にはいわゆる安値のリサイクル品が含まれている(3)正規品の多くは輸出製品として再輸出されている、などから中国の国内産業に大きな損害を与えているとはいえない、などを理由に反論してきた。
  
 経済産業省では、わが国がこれまで中国のWTO加盟を一貫して支持してきたことなども説明し、中国側にはたとえ現在未加盟でもWTO基準に沿った判断をするよう求める方針だ。