2007年07月17日
タカラバイオ、RNA分解酵素を用いたエイズ遺伝子治療法、サルで生体試験
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:タカラバイオ

 タカラバイオは17日、同社が開発したRNA分解酵素(MazF)を含有するレトロウイルスベクターを用いたエイズ遺伝子治療法の評価を、サルの生体を用いた評価試験に切り替えると発表した。従来はアカゲザルの細胞を使って実施してきたが、サルのエイズウイルス(SHIV)に対する有効性が細胞レベルで確認できた。このため生体試験を行うことにした。

 同社は、アカゲザル末梢血から採取したCD4陽性T細胞に、エイズウイルスの感染によってMazFを造りだせるように構築した遺伝子ユニットを、レトロウイルスベクターを用いて導入し、サルのエイズウイルス(SHIV)を感染させる実験を行った。
 
 その結果、MazFが導入されていないT細胞ではSHIVが7日間で約100倍に増えたのに対し、MazFが導入されたT細胞ではSHIVは全く増えなかった。

 このように、MazFをエイズウイルスの感染によって、はじめて造りだせる遺伝子ユニットが導入されたサルT細胞は、サルのエイズウイルスの増殖・複製を遮断するという大きな効果が確認できた。このため、アカゲザルの生体を用いた試験を開始する。
 
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1184655173.doc