2007年07月17日
PSの6月の出荷、内需の縮小で前年の8%減に
1〜6月トータルでは4%の増加に
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会が17日に明らかにしたところによると、PS(ポリスチレン)の6月の生産・出荷数量は5月とは逆にいずれも前年同月を下回った。
 
 生産は66,820トンで前年同月を4%下回り、出荷は78,806トンで同8%減となっている。生産の前年同月割れは4ヵ月ぶりとなる。定修による運休工場数が前年同月の2社・2工場から3社・4工場に増えたことによるもの。
 一方の出荷の前年同月割れは2ヵ月ぶり。国内向けが10%もの減少となったのが響いている。PS各社の値上げ表明を受けて前年を10%上回った5月の反動が出たものと見られる。ちなみに前年同月の出荷は前倒し需要の発生で前の年を18%上回る規模になっていた。

 今年6月が減少となったのは、主力の包装用こそHIシートの好調で6ヵ月連続の前年同月超えとなったものの、電機・工業用がわずか0.2%ながら前年を下回って13ヵ月ぶりの前年同月割れとなったのに加えて雑貨・産業用が32%、FS用が20%それぞれ前年を大きく下回ったため。

 片や輸出は70%増で6ヵ月連続の前年超えとなった。しかし、絶対量が3,291トンと引き続き小さいので、国内向けの大幅減をカバーするに至っていない。
 
 こうした結果、今年上期(1〜6月計)の総生産量は前年同期比5%増の443,904トン、総出荷量は同4%増の459,378トンとなった。出荷のうちの国内向けは同2%増の440,316トン、輸出は同79%増の19,062トンとなっている。国内向けの中では、電機・工業用が7%、包装用が8%それぞれ増加している点が注目される。電機・工業用の伸びにはデジタル家電と事務機向けの需要の好調が、また、包装用の成長にはHIシートとOPSの市場の拡大がそれぞれ大きく寄与している。反面、雑貨・産業用は14%減と不振が目立つ。
 なお、期末在庫は94,079トンで、昨年10月いらいの10万トンの大台割れとなった。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1184646843.pdf