2007年07月18日
PVCの6月の出荷、ほぼ前年同月並みに
国内向けの減少を活発な輸出でカバー
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会が18日に集計したところによると、PVC(塩ビ樹脂)の6月の総出荷数量は176,226トンとなった。前年同月比は0.1%減で、ごくわずかながらも4月に続いて今年2度目の前年同月割れとなった。

 国内向けは同11.9%減の114,680トンで、4ヵ月連続の前年同月割れとなった。主力の硬質用が同12.7%減となったのをはじめ軟質用が同11.9%減、電線その他用が同9.3%減と全ての分野が大幅に縮小した。

 一方の輸出は、同33.2%増の61,546トンと引き続き好調であった。これで輸出の前年同月超えは11ヵ月連続となった。中国だけでなく、中東やアフリカ諸国など取り引きが多くなかった国からの注文が増えたことが大幅増の要因。

 他方、6月の総生産量は同2.6%増の163,396トンとなった。5月に続いて前年同月超えである。しかし、総出荷量を下回ったので、月末在庫は前月比12.5%減の90,057トンに縮小した。3ヵ月振りの10万トンの大台割れで、今年に入って最小規模となった。

 6月の総出荷量がほぼ前年同月並みとなった結果、今年第2・四半期(4〜6月期)の総出荷数量は512,395トンとなった。前年同期の実績の0.7%増で、この場合もおおむね前年の横並びとなっている。国内向けは317,952トンで同7.7%減、輸出は194,443トンで同18.5%増となっている。国内向けは4・四半期連続の前年同期割れである。

 この日の定例記者会見に出席した土屋隆・同協会会長(東ソー社長)は、「この4〜6月期のマイナス成長は、値上げ前の前倒し需要の発生によって前年を上回った昨年4〜6月期に対比したものなので、実需の縮小を表していると言えない。2年トータルでカウントすればほぼ横並びということになる」と説明、そして「今後も前年並みで推移する見通し」と下期の持ち直しに対する期待を表明した。


ニュースリリース参照
○塩ビ樹脂生産出荷実績表
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1184745125.xls