2007年07月18日 |
昭電、窒化ガリウム系青色LED素子の生産能力月2億個へ大幅増強 |
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術) 【関連企業・団体】:昭和電工 |
昭和電工は18日、窒化ガリウム系青色LED素子の需要が好調なため、千葉事業所の生産能力を08年6月までに月産2億個に引き上げると発表した。 同事業所では現在、今年2月時点で月産30百万個の生産能力を今年末までに1億個に引き上げる工事を実施中で、現時点での能力は60百万個となっている。 しかし、予想を上回る受注が寄せられていることから、次期増強スケジュールを早めることにした。新たに50億円の追加投資を行い、生産ラインを1系列増やして月産能力2億個体制とする。 窒化ガリウム系青色LEDは現在、主に携帯電話、ディスプレイなどに使用されているが、液晶バックライト等への用途開発が進んでおり、今後5年間では年率20%近い成長が期待されている。 LED素子の製造には、従来のMOCVD法(注:1)と、同社が開発したPPDTM (Plasma assisted Physical Deposition)法(注:2)を組み合わせた、独自技術による「ハイブリッドPPDTM法」を採用している。これにより、従来MOCVD法では困難とされていた4インチウェハーでの生産を実現した。 同社は今後この「ハイブリッドPPDTM法」によって、LED素子の品質向上と競争力強化に努め、LED素子出力レベルで世界トップクラスを目指す。 同社は窒化ガリウム系LEDや、アルミニウム、ガリウム、インジウム、リンの4つの元素化合物で構成される「4元素系超高輝度LED」を、経営戦略上の“育成事業”と位置づけ、今後も積極的な資源投入を行う。現在50億円規模の超高輝度LED素子の売上高を08年度には200億円に拡大する方針である。 【昭和電工取締役・坂井伸次エレクトロニクス事業部門長の話】 当社は05年の高輝度InGaN(青色)LEDと高輝度AIGaInP(赤色)LEDの製造開始に続いて、06年には高輝度緑色LED、紫外LEDの製造を開始した。当社の事業規模はまだ世界の先行各社に及ばないが、LED製品のラインナップでは、すでにトップクラスと思う。独自開発の4インチウェハーも十分に競争優位性をもっている。早く大手各社と肩を並べるところまでもっていきたい。 (注:1) MOCVD法:有機金属化学気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)の略。化合物半導体結晶の製造方法として最も一般的な結晶成長方法。 (注:2) PPDTM法:プラズマ物理気相成長法(Plasma assisted Physical Deposition)の略。当社が窒化物半導体結晶用に開発した結晶成長技術。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1184737918.doc (参考) ◇既報:2007年2月20日付ニュースリリース http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1171938449.doc |