2007年07月24日
EVAの国内出荷、今年上期合計も前年割れ
フィルム・ラミ・シートの不振が長期化
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 EVA(エチレン酢ビコポリマー)の6月の総出荷数量は19,349トンで、前年同月を4.2%下回った。主力のフィルム・ラミネート・シート用品種の出荷が同10.6%減となったのが響いて国内向けの総出荷量が同7.0%減の13,080トンと大きく落ち込んだことによる。同樹脂の月間総出荷量の前年同月割れは今年に入ってこれが3度目。一方の輸出は6,269トンで前年同月を2.7%上回った。3ヵ月連続の前年同月超えである。
 
 この結果、EVAの今年上期(1〜6月)の総出荷は114,663トンとなった。前年同期を0.8%下回っている。フィルム・ラミネート・シート向けと接着剤向けの不振によって国内向けが同2.2%減の71,666トンにとどまったことによる。フィルム・ラミ・シート向けは同4.6%減の37,376トン、接着剤向けは同10.0%減の8,901トンとともに大幅な落ち込みとなった。一方の輸出は同1.7%増の42,997トンで引き続き着実な成長を遂げたが、国内向けの落ち込みをカバーするまでには至らなかった。
 
 半年単位で捉えると、同樹脂の国内向け出荷はこれで4期連続のマイナス成長ということになる。一般成型品向けは安定した伸びを遂げているが、フィルム・ラミ・シート向けと接着剤向けは長期にわたって前年割れを続けている。

 EVAメーカーの中には、国内向けも輸出も引き続き安定した伸びを続けていると言い切るところがいくつかある。同じ高圧法低密度ポリエチレンメーカーでもEVAを得意とするところとそうでないところの収益面での格差が一段と拡大し、その結果、同樹脂ビジネスの縮小を目指すところが現われ始めたということのようだ。