2007年07月26日
昭和電工、石化原料の多様化率を大幅アップ
7月からLPGの使用量を月3万トンに拡大
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:昭和電工

 昭和電工は石油化学事業部門のコスト競争力強化策の一つとして、使用石化原料に占めるLPGの構成比率の大幅な引き上げに踏み切った。これまで月間5,000トンていどであったLPGの使用量を一気に3万トンに拡大し7月から実施した。

 これによって同社の石化原料の多様化率は、H-NGL(コンデンセート)の使用継続との合計で20%ていどとなった模様。わが国のエチレンセンターの中では抜群の高多様化率と言える。

 同社では、8月以降もLPGとナフサとの間の国際相場の格差が一定の範囲内にとどまる限りLPGの使用量を現在に近いレベルで維持していきたい考えだ。エチレンセンターにとって原料多様化はかねてからの最重要課題の一つとなっていたが、各社とも目立つほどの実績を上げていない。

 同社が、LPG(多くがブタン)の使用量を大幅に増やすことにしたのは高騰を続けるナフサに対する依存度を少しでも引き下げるため。他の石化企業も同じ狙いで実現手法を懸命に模索してきたが、今回同社が先鞭をつけるかたちとなった。

 これは、昨年春から夏にかけて大分のエチレンプラントを手直しして最大50%ていどまでナフサ以外の原料を使用できるように分解部門を大幅に改良したのに加え、今年1月以降も新たなポンプの設置やパイピング等の関連追加工事を進めてきた。これによって高い比率でのLPGの使用が可能となった。

 7月から月間3万トンペースのLPG使用に踏み切っており、オンスペックのオレフィンが順調に得られているという。LPGは主にサウジアラビアから輸入している。大分には4万トンのLPGタンクを保有しているので、陸揚げ・貯蔵も全て円滑に運んでいるとのこと。H-NGLについても同じく4万トンのタンクを保有している。