2007年08月03日
ハイヤーオレフィンの輸入が活発に
上期計の通関量は前年同期の35%増
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 ハイヤーオレフィンの輸入が急増してきた。ヘキセン1とオクテン1を合わせた6月の輸入通関数量は4,107トンで、前年同月の実績を53.6%上回っている。そのほとんどがヘキセン1で占められていると見られる。1月から6月までの累計は17,905トン前年同期の実績を34.8%上回っている。しかも1キログラムあたりの加重平均CIF価格は258.5円で、前年同月を47.4円(22.5%)も上回っている。

 圧倒的多数を占めると見られているヘキセン1の主な用途は、L-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)の改質材である。もともと国内の供給力が乏しいためL-LDPEメーカーの多くが海外からの輸入品に多くを依存してきている。

 しかし、海外でも外販余力を持つところは南ア・サソール、ベルギー・イネオス、米・シェルケミカルなど少数に限定されている。このうちのサソールは、昨年末に発生した工場爆発事故で合計3系列のヘキセンプラントのうち2系列をいまだに稼動できないままきている。このためヘキセンの国際需給バランスが一気に逼迫、それに伴い国際相場も急騰している状況にある。

 最近のわが国の輸入価格の急騰はこうした事情によるものと見られる。しかし、もう一つ注目される輸入量の急増の背景となるといまひとつはっきりしない。それというのも、L-LDPEの生産・販売量は伸び悩み状態で推移しているからだ。

 考えられる要因は、同樹脂メーカーやトレーダーがヘキセン1の需給がこの先も超タイトのまま推移すると予想して前倒し発注しているのか、あるいはL-LDPEメーカーがいっせいにC6コノマー品種へのウエートシフトに乗り出したかのどちらかということになる。それがはっきりするまでには、もう少し時間がかかりそうだ。