2007年08月06日
MPHS、定修と増強工事を完了
フェノールの生産能力、年30万トンに
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学のシンガポールにおけるフェノールチェーン企業「ミツイフェノールシンガポール(MPHS)」は、このほどジュロン・ケミカルアイランドのフェノール(PH)設備の定期修理と増強工事を完了して再稼動を開始した。

 今回の工事は、既存の年産25万トン能力のPH設備の定期修理を実施するのに合わせて、同5万トンの増産体制を整えることを目的に進められてきたもの。この結果、同社グループのPHの生産能力はMPHS30万トン、千葉フェノール・千葉工場23万トン、三井化学・姉崎工場19万トン、同・大阪工場20万トンの合計92万トンとなった。

 今回、シンガポールのPHプラントの増強に踏み切ったのは、中国をはじめとしたアジア地域全域でフェノール樹脂向けやBPA(ビスフェノールA)向けを中心に需要が予想を上回るペースで拡大し、既存の設備能力では的確に対応できなくなってきたため。

 同社では、今後もアジア地域における需要は引き続き順調に増え続けると予想しており、数年後にはシンガポールで大幅な設備増強に踏み切る考えだ。

 その前に中国で同12万トン能力のBPAプラントを立ち上げるため現在工事中。来年6月には完工の予定。これによって現在でも世界ナンバー1の地位にある同社のフェノールチェーン全体の国際基盤は一段と強化されることになる。