2007年08月07日
アジアのポリオレフィン相場が続伸
HP-LDPEの中には1,500ドルでの成約も
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社によると、アジア地域におけるポリオレフィンの8月の取引価格が軒並み続騰となることが確定した。需給バランスが特にタイトなHP-LDPE(高圧法低密度ポリエチレン)の中には、CFRのトン当たりの価格が1,500ドルに達したものも見られる。中国だけでなくアジア地域全体の需要が引き続き拡大していて市中在庫が乏しいことがサプライヤー側に有利に働いているといえる。
 
 アジア地域のポリオレフィンの8月の取引価格は、先週から今週にかけての商談で相次いで決定されつつある。最高値はHP-LDPEのフィルム用品種で、7月よりトン当たり30〜40ドル高の同1,490ドル前後で話し合いの多くがまとまりはじめている。サプライヤーの中には同1,520ドルをオファーするところもあったが、さすがにこれを受け入れるところはなく、今の時点での最高値は1,500ドルどまりとなっている。
 これに続くのはHDPE(高密度ポリエチレン)のフィルム用品種で、現在決まりつつある価格は同1,390〜1,410ドルとなっている。7月に比べると約30ドル高となる。欧米向けのクリスマス商品の包装向けの需要が各地で急拡大していることが大きいと各商社では指摘している。
 L-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)の価格は同1,340〜1,360ドルでほぼ固まっている。最大のサプライヤーであるサウジアラビヤがいち早く1,340ドルを提示したため、7月に対する上げ幅は同20ドルと比較的小幅に落ち着いた。
 PP-H(ポリプロピレンホモポリマー)は、射出成形用もヤーン用も1,360〜1,380ドルの範囲内に引き上げられることになった。7月の価格を同30ドル前後上回ることになる。インドやパキスタン等からの引き合いが中国以上に活発という。
  
 大手商社では、欧米向けのクリスマス商品の生産活動が例年以上に活発なことと、各国の国内市場が順調に広がっていることが重なって少なくとも8月いっぱいは高値が維持されると判断している。