2007年08月08日
ANのアジア地域の価格、8月は1,800ドル台に
原料高を背景に供給サイドが強腰で交渉に
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 米国や日本の大手アクリロニトリル(AN)メーカーとANの最大消費国である中国のANユーザーによる8月のコントラクトものの価格交渉が始まった。
 
 ANの中国向け価格は7月分がトン当たりCFR1,780ドルで7月の横並びであったが、8月分についてはサプライヤー各社が最低でも同1,800ドルに引き上げたい考えを示している。中には1,850ドルを提示して大口需要家からいち早く同意を取り付けているANメーカーも見られる。サプライヤー側の狙いが実現すれば3ヵ月振りの値上げとなる。

 AN各社が対中価格の引き上げにこれまで以上に強い意欲を示しているのは、原油の国際価格の上昇によって原料プロピレンの価格が世界全体で急騰しているため。ポイントとなるANの需給バランスは、需要が中国におけるABS樹脂の需要の順調な拡大に伴って関係者の予想以上に拡大しているのに加え、供給能力が前年と同じ規模にとどまっていることからタイト化が進んでいる。