2007年08月09日
アステラス製薬、経口用セフェム系製剤で大洋薬品を提訴
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:アステラス製薬

 アステラス製薬は9日、同社が製造販売する経口用セフェム系製剤セフジニル(製品名:セフゾン・カプセル)について、同剤の特許が有効に存続しているにもかかわらず、大洋薬品工業株式会社(本社:名古屋市)が同剤の後発品を薬価申請し、薬価収載されたことによ
り被った、薬価改定時の特例引下げ分の逸失利益に対する損害賠償請求訴訟を、同日付で東京地裁に提起したと発表した。

 経口用セフェム系製剤セフジニルは、アステラス製薬(旧藤沢薬品)が創製した抗生物質製剤で、1991年に「セフゾン・カプセル」の製品名で、また93年には「セフゾン・細粒」として発売し、呼吸器感染症などに幅広く使用されてきた。

 セフジニルの物質特許は2003年9月に満了したが、結晶形に関する特許は2008年8月まで存続しており、他の後発品会社はこれを尊重して薬価申請をしなかったが、大洋薬品1社だけが05年7月、セフジニルの経口用カプセル製剤として「セフロジールカプセル100mg」を薬価申請し、薬価収載された。

 この結果、06年4月の薬価改定では、後発品が薬価収載されたことにより適用される薬価の特例引下げ(通常改定に加えて8%の追加引下げ)がアステラス製薬のセフゾンカプセルおよび細粒に適用された。
 
 このためアステラス製薬は、セフジニルの特許存続中に行われた大洋薬品の薬価申請行為は、不法行為であると判断し、これによって被った特例引下げ分の逸失利益を、損害賠償として大洋薬品に請求することにした。

 大洋薬品による「セフロジールカプセル100 〓」の製造販売に対しては、既に05年9月15 日、東京地裁に特許権侵害の排除を求める訴訟を提起し、2007年3月13日に勝訴の判決が出て、現在大洋薬品が控訴中である。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1186645894.pdf