2007年08月22日 |
カネカ、高付加価値エラストマー事業を本格展開 |
第一弾は独自開発「シブスター」、5年後売上高20億円目指す |
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術) 【関連企業・団体】:カネカ |
カネカは22日、高付加価値エラストマー事業を本格展開するため、第一弾として、独自技術で開発した熱可塑性エラストマー「シブスター(SIBSTAR)」の積極販売を開始すると発表した。 鹿島工場(茨城県神栖市)敷地内に、第一期年産1,200トン能力のエラストマー製造設備を所要資金約7億円で新設する。 稼働予定は2008年秋で、5年後の売上高として約20億円を目指す。さらに能力増強、新製品上市などにより、高付加価値エラストマー群として50億円以上の売上げを目指す。 「シブスター」は、同社が2003年に世界で初めて工業化に成功した精密重合(リビングカチオン重合)法によるポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体(SIBS)で、完全飽和型の熱可塑性エラストマー。鹿島にパイロットプラントを持つ。 従来のスチレン系熱可塑性エラストマーと比較して、 (1)柔軟かつ高い強度を持ち、可塑剤を使用しなくても充分な柔軟性が得られる。 (2)優れたガスバリア性を有し、ガスバリア性ゴムとして知られるブチルゴムと同等レベルである。 (3)外から加わる振動を熱エネルギーに変換してエネルギーロスを起こさせることにより、高い制振性能を発現する。 (4)主鎖が完全飽和型であることにより、優れた熱安定性を備えている。 などの特徴をもっている。 SIBSの事業化については、これまでにも市場で試みられてきたが、ポリマー構造の制御が難しいこと、製造コストが高いことなどから、本格的な展開が困難だった。 カネカは、独自の技術で最適な製造プロセスを開発し、製造コストの大幅削減に成功した。主力の米国市場では、すでにガスバリア性を活かす用途での販売を開始。また国内では、制振性能を活かして家庭用、小型機械設備用の耐震材に使用され高い評価を得ている。 さらに、粘着剤分野、ガスバリア性を活かしたシール材・パッキン・キャップ材・チューブ・ホースなど、幅広い分野での用途展開の可能性が高まったことにより、グローバルに事業を積極展開していく方針である。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1187768321.doc |