2007年08月23日
帝人ファーマと中外製薬、イプセンの糖尿病治療薬を共同開発
【カテゴリー】:経営(ファインケミカル)
【関連企業・団体】:中外製薬、帝人ファーマ

 帝人ファーマと中外製薬の両社は23日、フランスの医薬品メーカー、イプセン(Ipsen)社が創製した「ITM-077」を、日本で糖尿病治療薬として共同開発することにし、このほど契約締結したと発表した。

 帝人ファーマは03年7月、イプセン社との間で日本における同化合物のライセンス契約を締結し、これまで単独で開発を進めてきた。しかし中外製薬との共同開発によって開発スピードを加速させ、早期の承認申請を目指すことにした。

 一方、中外製薬の親会社であるスイス・ロシュ社は、03年10月にイプセン社との間で当該化合物についての契約を締結し、日本とフランスを除く全世界での独占的開発・販売権に関するオプション権を取得した。これらの事情から、両社の共同開発契約となった。
 
 「ITM-077」とは、インスリン分泌を促すホルモンの1つであるGLP-1(グルカゴン様ペプチド1)を模した新規化合物のことで、GLP-1 は血糖値が高くなり過ぎた場合にのみインスリンの分泌を促すが、「ITM-077」は低血糖のリスクが少なく、イプセン社技術により血中濃度が長時間維持される。
 
 このため既存の糖尿病薬が毎日服用または注射を必要とするのに対して、1〜2週間に1回の注射となり、既存の糖尿病治療体系を一新する画期的な新薬になることが期待されるとしている。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1187841304.pdf