2007年08月27日
東レ、感光性ポリイミドコーティング剤設備を3倍増
半導体保護膜の需要増に対応、年産150トン体制に
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:東レ

 東レは27日、半導体保護膜の需要増に対応するため、滋賀事業場で行っていた感光性ポリイミドコーティング剤「フォトニース」ポジ型タイプの設備増強工事が完了したと発表した。投資額は約10億円で、生産能力は年産150トンと3倍に拡大した。来月から本格出荷する。

 半導体保護膜に使用されるポリイミドコーティング剤の市場規模は、非感光性タイプ、感光性ネガ型タイプ、感光性ポジ型タイプを合わせて現在世界で約200億円と推定されているが、300ミリウェーハなど微細加工デバイス向けを中心に、2010年には300億円に拡大する見込み。
 
 中でも感光性ポジ型タイプは、最も微細加工性に優れ、かつ環境にやさしいアルカリ水溶液による現像が可能であることから、特に需要が増大しており、2010年には半導体保護膜用途全体の半数以上を占めると予想されている。

 東レは、2000年に感光性ポリイミドコーティング剤「フォトニース」ポジ型タイプを事業化し、独自の分子設計技術による高い微細加工性、解像寸法均一性、塗布膜厚均一性とともに低温硬化性を兼ね備えた材料として、幅広く採用されてきた。
 
 特に解像寸法の均一性は世界最高レベルを実現しており、最先端300ミリウェーハライン向けの半導体保護膜用途では、50%超の世界トップシェアを有している。

 同社は、今後の伸長が期待されるポジ型タイプの設備増強により更なる事業拡大を図り、2010年には300ミリウェーハライン向けに70%、ポジ型全体においても50%を超えるシェア獲得を目指す。

 また、当製品については半導体保護膜以外の新規用途開拓も積極的に推進しており、有機ELディスプレイの隔壁絶縁材料などの製品開発を進め、既に実績を上げている。同社は、今後もポジ型タイプを中心に新規用途開拓を加速させ、5年後には非感光性タイプ、感光性ネガ型タイプも合わせたポリイミドコーティング剤事業全体の売上高を100億円規模へ倍増する目標をかかげている。