2007年08月28日
塩ビの9月の輸出価格、最高値はトン1,060ドルに
需要活発の中東向けを中心に順調に上昇
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 PVC(塩ビポリマー)の大手メーカー筋によると、わが国のPVCメーカーが27日までに海外各地の大手需要家との交渉で合意に達した9月の輸出価格は、CFRベースでいずれもトン当たり1,000ドルの大台を突破して同1,020〜1,060ドルとなった模様。
 
 最も距離が近い中国向けは、1,020〜1,025ドルで8月の価格に比べると同30ドル高となった。昨年12月の同780〜790ドルをボトムに9ヵ月連続の値上がりである。中国国内で欧米向けの加工製品を手掛ける多くの加工企業の間で、品質が優れる日本のPVCに対する人気が持続していることによるものと見られている。
 
 CFRベースでその中国向けを上回るレベルになっているのはインド、UAE、エジプト、ナイジェリアといったPVCの新興需要国向けの価格である。これらの国向けの9月の価格は同1,040〜1,060ドルで、8月を45〜60ドル上回っている。欧州全域のPVCの需給の逼迫と市況の高騰に対応して西欧のPVCメーカーの多くが出荷の多くを欧州域内に引き絞ってインドや中近東向けを大幅にカットし始めたことで、わが国のPVCメーカーに対する引き合いが急増してきたことによるもの。ちなみに、欧州の直近のCFRあるいはCIF価格の平均は同1,200ドルとなっている。