2007年09月05日
昭和電工、エチレン装置の大幅改造へ
環境負荷の低減とコスト競争力強化目指す
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術、環境/安全)
【関連企業・団体】:昭和電工

 昭和電工は5日、大分石油化学コンビナートの環境負荷の低減とコスト競争力の強化を目的にエチレンプラントの大規模改造工事を実施することにしたと発表した。
 
 具体的には、現在のナフサを中心とする石化原料分解炉7基を廃棄して1基で年間10万トンの分解能力を持つ最新の高効率大型分解炉2基を新設、合わせて、分解廃熱回収の強化と前蒸留系の改造も実施する計画。これによって、エネルギー効率は現在より約6%向上し、同時に二酸化炭素の排出量が年間67,000トン削減(約2%減)できることにもなるという。
 新設する分解炉は、ナフサのほかLPG等の軽質原料からNGLや灯軽油といった重質原料も使用が可能で、このため現在でも高水準にある同社の石化原料の多様化がさらに加速されることになる見通し。ただし、エチレン生産能力は現在と同じ定修スキップ年ベースで年産695,000トンにとどまるという。
 
 同社では来年後半に着工、2010年春に実施するエチレンプラントの定修時に完工の予定。今回の改造工事に対しては、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が平成19年度の「エネルギー使用合理化事業者支援事業」に採択、建設所要資金の一部を補助することにしている。その補助金を除く同社の投資額は約80億円となる見込み。