2007年09月06日 |
汎用樹脂の輸出の対中依存度がさらに低下 |
LDPEはついに50%の大台を大きく割り込む |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計) 【関連企業・団体】:なし |
汎用樹脂の総輸出量に占める中国向けの構成比の低下傾向がPPホモポリマー(PP-H)を除いて7月に入って一段と加速してきた。LDPE、HDPE、PPホモポリマー(PP-H)、PPコポリマー(PP-C)、PS、PVCの6品目全てが今年1月の対中国構成比を下回っており、しかもPP-Hを除いて縮小率がかなり大きい点が注目される。06年計の実績に対してもPPを除く4品目が大幅な縮小となっている。LDPEに至っては、中国依存度がついに50%の大台を大きく割り込んで44.7%まで低下している。 PPを除いて輸出先がこれまでになく多様化し、加えて中国以外の主要な消費国向けが大きな伸びを遂げていることがこうした変化をもたらしている最大の要因。 1〜7月合計でもPPを除いて06年計の対中構成比を大きく下回っている。LDPEではタイ、シンガポール、インドネシア、インド等向けが、HDPEではベトナム、フィリピン、米国等向けが、PSでは韓国、台湾、マレーシア等向けが、そしてPVCではインド、UAE、スリランカ、エジプト等向けがこれまでにない高い伸びを遂げている。 これら汎用樹脂の大手メーカーの中には、採算面を重視して中国以外の国との取り引きにより積極的に取り組むところも増えてきている。最近は中国以上に活発にわが国に引き合いを寄せる国が増えてきており、そうした国とは価格交渉で比較的優位に立っていけると予想されるからだ。今後も中国以外の国に対する輸出が順調な伸びを続け、その結果中国向けの比率が引き続き相対的に低下していく可能性は十分ある。 汎用樹脂の輸出に占める中国向けの構成比の推移は下表の通り。 【関連ファイル】 汎用樹脂の輸出に占める中国向けの構成比推移 https://www.chem-t.com/news/files/tmp_file1_1189060660.xls |