2007年09月06日
EGの国際スポット価格が続伸
サウジの大幅減産が響いて1,200ドル超え
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 わが国大手商社や石化企業筋によるとEG(エチレングリコール)の国際スポット価格が各地で続伸、中国など主要消費国の直近のCFR価格はトン当たり1,200ドル強となっている。
 1ヵ月前に比べると同240ドル高い。率にしておよそ25%の値上がりである。8月第2週末に1,000ドルの大台に乗ってからも引き続き上昇を続けているわけ。
 
 これには、サウジアラビア・ジュベールコンビナート内のEG向け酸素供給装置の故障によって同地域の5基合計年産270万トン能力のEGプラントのうち40%ていどが長期運休を余儀なくされ、国際需給バランスが急速に引き締まってきたことが大きく影響している。酸素供給装置の完全復旧は早くても今年末になると予想されており、このためサウジのEGの主要消費先である中国をはじめとしたアジア地域の需要家の間には先行きの供給に対する不安感が急速に広がっている。
 それに伴い、アジア地域向けのスポット価格は今後もなお強含みで推移する公算が濃厚。ただし、主たるエンドユーザーである中国のポリエステル繊維企業がこれ以上の原料の上昇を受け入れるかどうかははっきりしていない。