2007年09月10日
アジアのポリオレフィン市況が頭打ち
HP-LDPE除き、需要家が値上げに強く抵抗
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社ならびにポリオレフィンメーカー筋によると、アジア地域におけるポリオレフィンの9月中旬〜月末の納入価格は需給が逼迫しているHP-LDPE(高圧法低密度ポリエチレン)を除いて8月並みのレベルに据え置きとなる公算が濃厚となってきた。

 先週末までのサプライヤー各国と需要家各国との交渉では、8月に続いての値上げの了承を求めたサプライヤー各国に対して中国など輸入国側が逆に値下げを強く要求、このため最近ではめずらしく話し合いが難航した。その結果、HP-LDPEは同30〜40ドル引き上げられることが決まったものの、HDPE(高密度ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、L-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)の3樹脂は8月とほぼ同一水準とすることに双方が譲り合うかたちとなった模様。

 HP-LDPEの平均CFR価格はトン当たり1,530〜1,550ドル、HDPEの射出成形用は平均同1,350ドル、同樹脂のフィルム用は同1,400〜1,420ドル、L-LDPEのフィルム用は同1,340〜1,470ドル、PPのホモポリマーの射出成形用は同1,350〜1,380ドル、同樹脂のヤーン用は1,380〜1,400ドルとなる見通し。
 
 9月の価格交渉では中国のバイヤーが特に厳しく値下げを要求してきたという。これは、増値税の還付率の大幅引き下げに加えて輸入関税のデポジット制もスタートしたことで加工企業の採算が大きく圧迫されるためと見られている。