2007年09月12日
昭和電工、中国に第2の磁石用合金生産工場が竣工
【カテゴリー】:経営(海外)
【関連企業・団体】:昭和電工
完成した磁石用合金工場

 昭和電工は、中国江西省ガン州市に06年8月、磁石用合金生産の合弁会社を設立し、工場建設を急いでいたがこのほど完成し、12日竣工式を行った。
 
 昭電独自の技術であるストリップキャスト法(注)により、年間2,000トンの高性能ネオジム系磁石用合金の生産を行う。同社にとっては内蒙古自治区包頭地区に続き、中国第2のネオジム系磁石用合金生産工場となる。

 合弁会社は「ガン州昭日稀土新材料有限公司」で、日本側は昭電と東海貿易、中国側は、レアアース原料メーカーであるガン州虔東実業集団有限公司とガン県紅金稀土有限公司が出資している。

 既報:http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=19581

 高性能ネオジム系磁石は、ハードディスクドライブのボイスコイルモーターや、ハイブリッド自動車のモーター部分、電動パワーステアリング等に使用されている。
 
 特に自動車向けは、高温下での磁力特性確保の必要性から希少元素であるディスプロシウムを添加する必要がある。この元素は、イオン吸着鉱と呼ばれるレアアース鉱石に含まれており、世界的に江西省を中心とした中国南部に偏在している。
 
 合弁会社の中国側パートナー2社は、イオン吸着鉱の鉱山ならびに分離精製と金属製錬工場を保有する中国国内トップクラスのレアアース原料メーカー。昭電は両社とのパートナーシップを通じて、今後急速な需要の伸びが見込まれるネオジム系磁石用レアアース原料の安定調達に努める。

 (注) ストリップキャスト法:溶解したレアアース原料を水冷ロール上で急速に冷やすことにより高性能磁石用合金を製造する方法。微細な鋳造組織の生成を可能とする。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1189578421.doc