2007年09月19日
PVCの出荷、8月も前年のほぼ横並び
国内向けの不振を輸出がカバー
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会が19日に集計したところによると、PVC(塩ビポリマー)の8月の生産量は前年同月比3.0%減の165,472トンと低調で、一方の出荷量も同0.3%減の164,290トンにとどまった。
 生産は2ヵ月連続の前年同月割れである。一方の出荷は、2ヵ月振りの前年同月割れとなった。ただし前年同月に対する変動幅は過去2ヵ月と同様に極めて小さい。過去2ヵ月の前年同月比は6月が0.1%減、7月が0.7%増であった。続く8月が0.3%減なので、ほぼ前年同月の横並び状態が3ヵ月続いていることになる。輸出が大きく伸びて国内向け出荷の低迷をカバーしていることによる。
 
 出荷のうちの国内向けは92,519トンで、前年同月を8.0%下回っている。これで6ヵ月連続の前年同月割れとなった。主力の硬質用が8.4%減と不振であったのに加え、軟質用が9.9%減、電線その他も4.4%減と全ての分野が前年を下回ったのが響いた。硬質用は6ヵ月連続の、軟質用は14ヵ月連続の、電線その他は3ヵ月連続の前年同月割れである。
 国内向けの1ヶ月の総出荷量が10万トンの大台を割り込むのは、最近では4月の97,748トンとこの8月の92,519トンの2度だけ。
 この点について土屋隆・同協会会長(東ソー社長)は「かねてから塩ビ関係業界全体で育成に力を入れているサッシやサイディングの需要は着実に伸びたが、それ以外の分野の需要が大きく落ち込んだためカバーしきれなかった」と分析、その上で「しかし9月以降は全体に持ち直すのではないかと見ている」と秋需に対する期待の強さを匂わせていた。
 
 一方の輸出は71,771トンで同11.9%増となっている。13ヶ月連続の前年超えである。「サウジアラビア、ドバイ、エジプト、トルコ、インド等の中国以外の国からの注文が増えている」(土屋会長)ことが大きく寄与してのものといえそう。