2001年06月20日
呉羽化学、PPS樹脂3段階で1万トンに増設
独自プロセス採用、投資効率大きい
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:クレハ、ポリプラスチックス

 呉羽化学工業は20日、スーパーエンプラのPPS樹脂(ポリフェニレンサルファイド)増設計画について、将来的に大きな需要の伸びが見込めるところから、3段階に分けて年産1万トンまで拡大することを決めたと発表した。
 同社は現在錦工場に年産5,400トン設備をもち稼動中。増設計画は
(1)重合処方の改良と事業パートナーであるポリプラスチックス社との共同によるレジンからコンパウンドまでの一貫生産および効率生産の追求により2001年末までに年産6,000トン体制とする。
(2)その後1~2年内にイン・プロセス・パイロット・プラント(プロセス内パイロット)での新技術プロセス実証を終え年産7,500トンとする。
(3)以降、デポトルネッキングを主体に同1万トンまで増強する。
の3段階で行う。これにより「需要の伸びにフレキシブルに対応でき、投資額も新設に比べ約半分ですむ」としている。

 PPS樹脂の需要は過去5年間平均10%を超える伸びをみせている。同社はこれまでデポトルネッキングで対応してきたが、今後さらに着実な増加が見込めるところから、プラント新設を含めて対応を検討してきた。
 導入する新プロセスは「重合サイクルを飛躍的に短縮した重合プロセス」と「ポリマー連続回収プロセス」を組み合わせた、リニア型の画期的プロセスで、来年早々にも既存プラントに組み込む。
 同社は米国でもTicoma社と合弁生産会社Fortron社を共同経営しているが、ここでも新技術が利用できることになっているという。