2007年10月01日
PVCの対中輸出価格、10月も1,000ドル強に
加工製品の輸出用に引き続き引き合いが活発
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 大洋塩ビ、信越化学、カネカなど大手PVC(塩ビ樹脂)メーカーによる同樹脂の中国向け価格は10月も9月とほぼ同じレベルに据え置かれることとなった。これら各社が中国の大手加工企業やディストリビュータ各社と話し合いを進めてきた結果、先週末に合意に達したもの。
 
 9月の価格はCFRトン1,020〜1,030ドルとなって初の1,000ドルの大台超えを記録したが、10月分もほぼ同様の水準に据え置くことでそれぞれの話し合いが決着したという。数量は明らかにされていないが、合計で40,000トンから45,000トンの間になったと見られる。
 中国ではカーバイド法による国産塩ビが増産されていて、パイプ向けを中心とした汎用品種の多くは国産品で賄われつつある。しかし、かねてから欧米向けに加工製品を積極的に輸出している中国の有力加工企業の間では品質面でカーバイド法塩ビを大きく上回る日本各社のエチレン法塩ビが圧倒的な人気を得ている。このためわが国のPVCメーカーに対する引き合いは依然として活発であり、数量の面でも価格の面でも日本側各社の希望がおおむね通っている。
 もっとも最近は、インド、中東、アフリカといった中国以外の国からの引き合いが中国以上に活発となっている。このためこれらPVC各社は、価格次第でそうした新興需要国からの注文にも積極的に対応するようにしている。