2007年10月09日
東レ、名古屋に「オートモーティブセンター」設置
自動車向け技術開発の強化・拡充推進
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:東レ

 東レは9日、名古屋事業場(名古屋市)を「自動車・航空機」分野向けの中核工場として機能転換を図る基本構想を策定し、その第一段階として、自動車向けの技術開発拠点「オートモーティブセンター(AMC)」を設置すると発表した。投資額は約25億円で、2008年6月開所の予定。先端材料の拡大による高収益企業への転換を加速させる。

 自動車の環境・エネルギー対応がますます重要となる中、自動車メーカー、部品メーカー各社はハイブリッド自動車、クリーンディーゼル、バイオ素材・燃料などの技術開発を重点的に推進している。また、安全性、快適性の向上、情報・エレクトロニクス化の進展にともない、新しい機能に対するニーズが生まれ、技術革新は急速に進んでいる。
 
 こうした中、自動車産業のニーズに的確に対応していくためには、東レグループの豊富な先端材料・技術資源を融合し、ユーザーと一体になった開発を推進する必要があると判断し、「オートモーティブセンター」の設置となった。

 同センターを活用して、短期的には既存技術の横展開、日系自動車メーカーのグローバル生産に対応しながら事業拡大を図り、中長期的には自動車産業の変革に沿った先端材料・技術開発を進め、新規需要の取り込み・創出を推進する。
 
 これにより自動車向け事業売上高を、2006年度の実績1,240億円から、2015年度3,500億円を目指す。

 同社は「オートモーティブセンター」に続き、愛媛工場(愛媛県松前町)と滋賀事業場(滋賀県大津市)のコンポジット(炭素繊維複合材料成形品)技術開発機能を移転して「アドバンストコンポジットセンター(仮称)」を新設し、既存の「樹脂応用開発センター」と合わせて自動車・航空機向けの総合技術開発拠点「A&Aセンター」(Automotive & Aircraft Center)」を整備する。
 
 同時に生産機能についても見直しを図り、自動車・航空機向けの樹脂、コンポジット、高機能ケミカル製品の各生産体制を順次構築していく。なお、名古屋事業場の構造改革は2010年までに完了する計画で、総投資額は約200億円を見込む。
 
ニュースリリース参照 
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1191918145.doc