2001年06月19日
バイエル首脳会見「タイ、中国に大型ポリカーボ工場」
アジアに重点投資、日本での売上高目標は3,000億円
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:バイエル

 ドイツ・バイエルのヴェルナー・シュピナー経営委員会委員(専務)クヌート・クレデーン日本・韓国代表、ミヒャエル・ポートフ中国代表ら首脳は19日記者会見し、アジア地域を中心にした同社の事業展開や今後の計画を明らかにした。 この中で「アジア・太平洋地域は潜在成長力の高い最重要市場」と位置づけ、「2010年までにグループ総売上げに占めるアジアの比率を現在の16%から25%に増大する」ことを目標に合弁、買収を含めて積極的に事業拡大していくことを明らかにした。主な発言内容は次の通り。

(1)これからは東南アジア、中国、日本がアジア投資戦略上の3大拠点になる。タイではマプタプット工場のポリカーボネート(PC)工場(年産5万トン)を52005年までに、段階的に35万トンまで拡大する。完成すれば世界最大級となる。

(2)中国では第1段階の投資を終えたので第2段階として31億ドルを投入し高分子材料を中心に設備の新増設を行う。
 2003年後半には上海にPC10万トン、ビスフェノールA10万トン、PCブレンド品4万トン工場を立ち上げる予定だ。
 TDI、MDIの企業化も計画しており、来年央にはF・S作業を終えたい。

(3)日本ではとくにライフサイエンス分野で製品パイプラインを強化し、医薬・医療、農薬の研究に力を入れていきたい。京都の医薬総合研究所と茨城県結城市の農薬中央研究所の研究を強化するため1994年~2010年の総額約2,400億円の資金投下をすでに決めている。

(4)2000年のアジア・太平洋地域でのバイエルの売上高は49億ユーロで、前年比35%増加、1990年の23億ユーロからは2倍に増えた。
 日本での売上高は前年比12%増の2,230億円で、これまでの最高となった。引き続き医薬、農薬、ライフサイエンス分野を中心に伸ばしていきたい。合弁、買収、提携なども含めて2004年には3,000億円を目標に拡大していきたい。