2001年06月19日
LDPEメーカー、輸出を軒並み大幅カット
採算割れで前年の実績の1割に縮小のところも
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 LDPEメーカーの間で同樹脂の輸出の大幅カットに踏み切るところが相次ぎ始めた。
 HP-LDPE(高圧法低密度ポリエチレン)とL-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)の両品種とも削減の対象となっており、前年の実績の半分前後に抑えている企業が多い。中には、前年の1割ていどに縮小しているところもある。
 その理由については、各社とも、中国をはじめとした相手国のユーザーやトレーダの提示価格が安すぎて採算を確保できないため、と説明している。これまでは、同じ社内あるいは親会社のオレフィン部門から輸出玉向けに多少割引した価格のエチレンを調達してこれた。しかし最近はそれがほとんど認められず、安値で契約すればその分は確実に赤字の積み上げになって自らの首を締めることになってきているという。
 このため最近の汎用品種の輸出先は、国内の大口取引先の関係企業なり長期契約企業なりに絞らざるを得なくなっているというところが多い。あとは、海外の大手PEメーカーが手がけていない特殊グレードを残すにとどまりつつある。
 米国景気の後退に伴う中国やアセアン諸国の需要の減退と、中東やシンガポールにおける大幅増産がストレートに影響し始めてきたわけで、今後はかなりの生産調整が必至といえそう。