2007年10月15日
「ブループラネット賞」受賞者二人が会見
【カテゴリー】:環境/安全(行政/団体)
【関連企業・団体】:旭硝子

 旭硝子財団は15日、07年(第16回)「ブループラネット賞」の受賞決定者二人による記者会見を開いた。

 「ブループラネット賞」は、地球環境問題の解決に大きく寄与してきた個人や組織を年に一度同財団が表彰するもの。
 07年度の受賞者は二人で、一人は世界的な環境法学者として知られる米国のジョセフ・L・サックス教授。もう一人はソフト・エネルギー・パスの概念の提唱者として著名の同・エイモリ・B・ロビンス博士。
 この日の会見では、はじめにサックス教授が「環境問題の解決には様々な利害関係者が複雑に絡んでくるので息の長い継続的な努力が必要」と強調するとともに、「昔に比べると議会も行政も環境問題に対する理解が進んでおり、また新しい豊富な知識を持つ若い世代も増えている」とも指摘して、今後も関係者が努力を重ねていけば必ず報われることになるとの考えを示した。
 
 一方のロビンス博士は、太陽、風力、バイオ燃等のソフトエネルギーの活用の重要性を力説、合わせて日本の省エネルギーの実情についても触れて「日本は優れた省エネ技術を持っているので環境保全と経済発展の両立に関して世界でリーダシップを果たしていけるはずだが、実際には自らの技術の価値を自ら低めに評価し、そしてコストを必要以上に高めに見積もっている」と厳しい批判も口にした。また、家庭からの二酸化炭素ガスの排出量が大幅に増えている点については「建築物の省エネを行政府が推進していくことが重要で、例えば多数の住宅を同時に省エネタイプに改修する政策の展開などが考えられてよいのではなかろうか」と具体的なアイデアも披露した。

 両氏に対する表彰式典は10月17日15時から16時10分まで東京會舘9階ローズルームで開かれる。また両氏の受賞記念講演会は18日13時20分から17時10分まで国連大学3階で開催される。