2007年10月16日
スチレン工業会がPSの中期需要展望を作成
アジア全体は年4.4%増、日本国内は横這いと予想
【カテゴリー】:行政/団体(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会は16日、同工業会がアジア主要国のPS(ポリスチレン)関係業界団体との交流の結果も踏まえて取りまとめたアジア全体(合計12ヵ国)ならびに日本国内のPSの中期需要展望を発表した。アジア全体の需要は中国の高成長に牽引されて順調な伸びを遂げるが、日本国内はほぼ前年並みで推移すると見ている。

 アジア全体の年間総需要量については、97年が前年比2%増の461万2,000トン、08年が同4%増の479万6,000トン、09年が同5%増の503万トンになると予想している。07年から09年までの3ヵ年の年平均伸張率が4.4%になるとの見方である。

 需要の多くを中国が占めると判断している。中国の各年の需要量予想は、07年が同4%増の245万トン、98年が同6%増の260万トン、09年が同8%増の280万トンとなっている。アジア全体の需要の過半を中国が占め、しかも伸び率も他の国を大きく凌ぐと見ている。

 一方のアジア全体の供給量については、07年が同4%増の669万7,000トンとなるが、08年は1%増の679万7,000トンにとどまり、09年も前年と同一規模のまま推移すると予想している。

 中国の設備能力に関しては、07年が同10%増の226万トン、08年が同4%増の236万トン、09年が前年と同じ同じ236万トンになると見ている。設備能力が引き続き需要量を下回る状態が続き、今後も不足分を輸入で賄うことになると判断されている点が注目される。年間不足量は07年が19万トン、08年が110万トン、09年が44万トンになるとの計算である。

 日本国内の需要量(輸出と輸入を加えた量)については、07年が前年とほぼ同じ91万1,000トン、08年が同1%増の92万1,000トン、09年が前年のほぼ横並びの92万3,000トンになると予想している。

 国内需要に関しては、07年が前年並みの87万7,000トン、08年が同1%増の88万5,000トン、09年も前年同様の88万5,000トンになると見ている。07年の場合は、包装用が5%、電機・工業用が4%それぞれ前年を上回るものの、雑貨・産業用が10%、FS用が4%下回るので差し引きではゼロ成長に終わると判断している。

 08年から09年にかけては、電機・工業用が08年も09年も前年を下回り、また包装用はゼロパーセント成長にとどまるが、雑貨・産業用とFS用がともに回復してカバーすると予想している。設備能力については、04年以降の101万6,000トンがそのまま継続されるとの予想になっている。

 PSの需要分野別の中期国内予想は以下の通り。かっこ内は前年比。
▽電機・工業用 07年=197,000トン(104%)、08年=195,000トン(99%)、09年=190,000トン(98%)。
▽包装用 07年=365,000トン(105%)、08年=365,000トン(100%)、09年=365,000トン(100%)。
▽雑貨・産業用 07年=145,000トン(90%)、08年=150,000トン(103%)、09年=155,000トン(103%)。
▽FS用 07年=170,000トン(96%)、08年=175,000トン(103%)、09年=175,000トン(100%)。国内合計 07年=877,000トン(100%)、08年=885,000トン(101%)、09年=885,000トン(100%)。