2007年10月17日
PVCの出荷、9月も前年比4%減と不振
国内向けが11%減、輸出は9%増と好調を維持
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会の17日の発表によると、塩ビ樹脂(PVC)の9月の総出荷量は前年同月比4.0%減の179,969トンとなった。8月に続く前年同月割れである。

 うち国内向けは同11.0%減の108,634トンで、7カ月連続の前年割れ。輸出が同9.1%増の71,335トンと好調を維持したためトータル縮小幅は他の汎用樹脂ほどに大きくはならなかった。輸出は14カ月連続の前年同月超えである。

 国内向けは、硬質用、軟質用、電線その他用と全てが前年同月を下回った。硬質用は7カ月連続、軟質用は15カ月連続、電線その他用は4カ月連続の前年同月割れ。全分野における需要不振の長期化が鮮明になってきた。

 この背景について土屋隆・同協会会長(東ソー社長)は「公共投資の縮小に加えて住宅着工件数の減少が大きく影響している」と説明、今後についても「回復を期待しているが、楽観は禁物」と慎重な見方を示した。その一方で「業界が取り組んでいる塩ビサッシの需要が着実に増えてきた点は明るい材料だ。最近は前年を3割上回る成長を見せ、将来への展望が開けてきた。今後も普及に力を入れていきたい」と新用途開拓に意欲を見せた。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/search.php?RCODE=6393