2007年10月18日
アジアのエチレンのスポット相場が続落
中東からの流入の継続等で需給に緩み
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社筋によると、アジア地域におけるエチレンのスポット価格がここにきてさらに下降速度を速めてきた。

 直近の価格は、最も安いインドネシア着値(CFR)がトン当たり1,120ドル、最も高い台湾着値が同1,150ドルとなっている。直近のピークである9月末の価格に比べると東南アジア地域向けは同130ドル、台湾向けは同80ドル下がったことになる。

 この要因については、サウジアラビアとイランからの余剰エチレンの流入が引き続き活発であること、日本と韓国の合計三つのエチレンセンターの定修が完工し始めたこと、カタール・QAPCOが年20万トンのエチレンの増産を開始して輸入に踏み切ったこと、東南アジア地域で大型SMプラントとMEGプラントが相次いで操業トラブルを引き起こしたこと、等によって市場に需給緩和感が広がってきた点を挙げる商社が多い。
 原料ナフサ価格とは逆の動きとなっているわけで、11月のコントラクト価格にこれがどう影響するかが注目される。