2007年10月23日
アジアのエチレン価格、3週連続で下降
市場に余剰感が一段と広がる
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 複数の大手商社の調べによると、アジア地域における先週末のエチレンのスポット価格の平均は極東のCFR価格がトン当たり1,150ドル台の半ば、東南アジアの同じくCFR価格が同1,110ドル半ばとなった。
 前の週末に比べると、極東では同15ドル前後、東南アジアでは同およそ50ドル安となっている。ともに3週連続の下降となった。最近のボトムの8月の第2〜第3週に比べると、極東では同140ドル前後、東南アジアでは同180ドル前後の値下がりとなる。

 原料ナフサの国際スポット価格が続騰しているにもかかわらず逆に下降線をたどっているわけで、これまでにあまり見られない現象となっている。

 この要因については、各商社とも、サウジアラビアやイランで余剰となったエチレンが引き続き大量にアジア全域に流入しているのに加え、インドやシンガポールからも余ったエチレンが東南アジアを中心に出回りはじめたことでアジア市場に供給過剰感が一段と広がってきたことが大きいと分析している。
 今後については、韓国と台湾のエチレンセンターの定修が11月上旬に完了するので引き続き弱含みで推移するのではないかと予想する向きが商社の間には多い。