2007年10月31日
三菱レの中間決算、実質ベースでは増益
ANや炭素繊維などが順調な伸び
【カテゴリー】:人事/決算
【関連企業・団体】:三菱レイヨン

 三菱レイヨンが31日に発表した同社の平成20年3月期中間決算は、売上高が前年同期比7.6%増の2,135億8,800万円、営業利益が同14.7%減の228億2,900万円、経常利益が同18.5%減の218億5,200万円、純利益が同27.3%減の109億500万円となった。
 
 ただし同社は、平成17年度から退職給付会計における数理計算上の差異の処理方法を発生の翌年度に営業費用として一括償却する方法に変更しているので、数理計算上の差異償却額(前年同期は71億800万円の益、当期は6億9,500万円の損)を除いた当期の実質ベースの営業利益は同19.7%増の235億2,500万円に、また経常利益は同14.4%増の225億4,700万円になる。
 
 引き続き増収・増益の決算となったわけだが、うち営業利益の増加は、中国の寧波麗陽化繊のアクリル繊維工場(年50,000トン能力)の稼動開始やANの海外市況の改善等を支えにアクリル繊維・AN及び誘導品部門が22億円の増益となったことと、豊橋工場内の炭素繊維の増設(年3,200トンから5,400トンへ)やスポーツ・レジャー分野を中心とした市場の拡大によって炭素繊維・複合材料部門が24億円の増益を実現できたことよるもの。
 一方、化成品・樹脂部門の営業利益は、MMA導光板の価格低下やMMAモノマー原料の高騰等が響いて1億円の増益にとどまっている。また、アセテート・機能膜その他部門は、公共投資の縮小の影響でエンジニアリング事業が不振であったため8億円の減益となった。
 
 通期の予想は、数理差異償却後ベースの売上高が前期比5.5%増の4,400億円、同営業利益が同22.9%減の460億円、同経常利益が同23.9%減の445億円、同当期純利益が同29.7%減の220億円となっている。
 しかし、償却前の実質ベースでは、営業利益が同5.5%増の48O億円、経常利益が同5.0%増の465億円、当期純利益が同1.8%増の232億になると予想している。配当は1株当たり1円増配の同11円とする考え。