2007年11月01日
旭化成ケミの中間決算、営業利益が59%増に
通期は22%増の690億円と予想
【カテゴリー】:人事/決算
【関連企業・団体】:旭化成ケミカルズ

旭化成ケミカルズは1日、08年3月期中間決算と通期予想を発表した。中間期業績は、連結売上高が前年同期比13.2%増の4,465億円、営業利益が同59.0%増の362億円となった。一方、通期の予想は売上高が前期比10%増の8,860億円、営業利益が同21.9%増の690億円となっている。

 中間期業績では、営業利益が大幅増加した。最大の要因は「中国を中心とした海外におけるアクリロニトリロやスチレンモノマーなどモノマー全体の需要が予想していた以上に活発で、それに伴い原料価格の高騰分の転嫁も順調に進んだ」(藤原健嗣・同社社長)ため。営業利益全体の4割強がモノマー事業部門で占められた。

 また、イオン交換膜法食塩電解プラント及びイオン交換膜などかねて同社が育成・強化に力を入れている高付加価値製品部門も中国向け輸出の好調等を支えに順調に業績が拡大、全体の増益に寄与した。ポリマー系事業も堅実な需要の拡大を背景に原燃料価格の上昇分を転嫁してきたため増益を確保できたとしている。

 一方、下期については売上高、営業利益とも上期を若干下回ると予想している。これは、3月に水島工場が約1カ月にわたって定修運休するため生産量が上期を下回ることや、主原料ナフサ価格が来年1〜3月期に上昇する見通しにあることなどマイナス要因が重なるとしたもの。

 もっとも、通期では引き続き増収・増益予想となっており、この通りにいくと同社が中期経営計画で目標に掲げた640億円の営業利益を前倒しして達成することになる。通期の設備投資額は420億円の見込み。