2007年11月08日
三井化学、PHの輸出価格を再引き上げ
需給の逼迫を背景にBZの値上がり分を転嫁
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 三井化学は、フェノール(PH)の輸出価格を再度引き上げることにして中国をはじめとした各国の需要家とトレーダーに通告した。11月分をトン当たり50ドル引き上げる。
 
 10月の輸出価格は、最大消費国の中国向けの場合でCFR同1,580〜1,600ドルであった。これを同1,630〜1,650ドルに底上げする。主原料のベンゼンの11月の価格が同50ドル引き上げられることが決まったため、その転嫁を図ることにしたもの。
 
 その行方を左右するPHの現在のアジア地域における需給バランスは極めてタイトな状態にある。これは、フェノール樹脂やビスフェノール-A向けの需要が順調に拡大しているのに対して、最大手メーカーであるイネオスが年産47万トンプラントの定修後の立ち上がりに失敗したこともあって世界全体の総生産量が総需要量を大きく下回る事態となっていることによるもの。現在イネオスでは、フォスマジュールを宣言して70%のアロケーションに踏み切っている。しかも、同17万トンの増設プラントの操業開始が当初の予定から1ヵ月ずれ込んで12月上旬となる見通しにもなっている。
 また、来年春には世界各地でPHプラントのデボトルを合わせた定修・運休工事が集中的に実施される見通しにある。このため逼迫状態の解消はかなり先のことになるとの見方が一般的となっている。