2007年11月09日
アジアのポリオレフィン価格が上昇
市場に需給引き締まり感がる広がる
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社によると、中国ならびに東南アジア諸国向けのポリオレフィンの価格が再び上昇傾向をたどりはじめた。
 
 中国向けの場合は、先週明けから今週半ばにかけての契約のCFR価格が、L-LDPEのフィルム用でトン1,360〜1,370ドル、HDPEのフィルム用で同1,430〜1,440ドル、同樹脂の射出成形用で同1,400ドル、HP-LDPEのフィルム用で同1,550〜1,560ドル、PPホモポリマーの射出成形用で同1,350〜1,360ドルとなっている。HDPEのフィルム用は同30〜40ドルの上昇となっており、他の樹脂もおおむね同10ドル上がっている。

 中国の需要家の多くは、国慶節をはさんでしばらく目立った動きを示さないできていた。しかしここにきて、再び買い意欲を示す需要家が現れてきたため輸出各国が提示価格の引き上げに踏み切り、それに伴い全体の相場が強含みに転じているもの。

 一方、東南アジア諸国のCFR価格も小幅ながら再上昇の傾向にある。L-LDPEとPPホモポリマーに特に顕著に現れている。もともと中国の輸入価格を同10ドル平均上回るレベルにあるが、両樹脂の場合はさらに同10ドル前後高くなっている。

 こうした変化をもたらしている要因は明確でないが、商社の中には、最大の輸出国である韓国の樹脂メーカーが採算面で魅力のある南米との取り引きに積極的に取り組みはじめたとの情報が流れてアジア市場全体に需給の引き締まり感が広がってきたことが大きいとする向きもある。