2007年11月09日
三井化学の中間決算、営業利益が27.6%増
機能材料部門がPW原料の市況改善等で2.32倍に
【カテゴリー】:人事/決算
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学の平成19年9月中間連結決算は、売上高が前年同期比5.7%増の8,816億円、営業利益が同27.6%増の427億円、経常利益が同10.2%増の405億円、中間純利益が0.7%減の202億円となった。中間期末配当は1株当たり2円増配の6円となる。

 売上高と営業利益が前年同期を上回ったのは、ポリウレタン原料や特殊ポリオレフィンなどの機能化学品が順調な伸びを遂げたのに加え、多くの部門で原燃料価格の高騰分の製品価格への転嫁が着実に進んだため。

 一方経常利益が10.2%増にとどまったのは、支払利息及び不良品処分損の増加などで営業外費用が60億円増加したからという。中間純利益が0.7%減になったのは、法人税及び少数株主利益を控除した結果前年同期を1億円下回ることになったため。

 営業利益をセグメント別に見ると、機能材料部門の利益が前年同期の2.32倍の190億円に達している点が注目される。ウレタン原料のTDIの輸出価格の引き上げが世界的な需給の逼迫を背景に順調に進展したこと、特殊ポリオレフィンやエンジニアリングプラスチックが電子情報関連市場を中心に大きく伸びたこと、EPTやαオレフィンコポリマーなどの自動車・産業向け材料が国の内外で大幅な伸びを遂げたこと、等による。

 先端材料部門の営業利益は4.2%増の50億円で、手堅い成長となった。ヘルスケア材料や農業化学品が着実に成長したことによる。

 売上高が最も多い基礎化学品部門の営業利益は1%(2億円)減って196億円となった。これには、市原と大阪の二つのエチレンプラントが定修のためそれぞれ約1ヵ月運休したことと、高純度テレフタル酸の中国向け輸出価格が下降したことが大きく響いている。フェノールとビスフェノール-Aは国の内外における価格の改善が効いて大幅な増益となった。

 他方、08年3月期の通期の業績予想は、売上高が前期比6.6%増の1兆8,000億円、営業利益が同1.8減の900億円、経常利益が同8.9%減の870億円、当期純利益が同17.8%減の430億円となっている。配当は2円増配の12円とする考えだ。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1194823229.tif