2007年11月12日
PSの10月の出荷、前年比13%増で5ヵ月振りの前年超え
国内向けが7%増で前年超えに転じ、輸出も大幅増
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会が12日にまとめたところによると、ポリスチレン(PS)の10月の総出荷数量は77,920トンで、前年同月の実績を13%上回った。同樹脂の月間総出荷量が前年同月を上回るのは5ヵ月振り。
 
 これは、国内向けが71,811トンとなって前年同月を7%上回ったのに加え、輸出が3.83倍に拡大したことによるもの。国内向けの前年同月超えは5ヵ月振りのこと。前年同月の実績が前倒し需要の反作用で前の年を13%下回ったことの反動による面が小さくないと分析する関係者が多い。需要分野別の実績では、電機・工業用が9月の同1%減から一転して18%もの伸びを遂げている点が注目される。液晶TVの反射板などデジタル家電向けと事務機向けの需要の活発化が大きいと同工業会では分析している。包装用はHIシートの需要回復で7%増となり、4ヵ月振りの前年同月超えとなった。FS用はPSPの需要の活発化で16%増を記録して5ヵ月振りの前年同月超えとなった。反面、雑貨・産業用は19%減で7ヵ月連続の前年同月割れとなった。
 
 輸出が大幅増となったのは、液晶TVの反射板用品種が台湾と韓国向けに大きく伸びたためと見られている。同樹脂の月間輸出量が6,000トンを超えたのは4年振り。これで同樹脂の月間輸出量は10ヵ月連続の前年同月超えとなった。
 
 一方の生産量は70,264トンで前年同月を17%下回った。定修による運休プラント数が前年より2基多い3基となったことによる。5ヵ月連続の前年同月割れであり、月末在庫量は前月比7%減の104,264トンとなった。