2007年11月13日 |
旭化成ケミ、ANの輸出価格を据え置きの構え |
アジア向けCFR価格、トン1,920ドルでオファー |
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品) 【関連企業・団体】:旭化成ケミカルズ |
アジア最大のAN(アクリロニトリル)メーカーである旭化成ケミカルズは、このほど中国やインドなどアジア地域の大手需要家に対してANの11月の輸出価格を10月と同じレベルに据え置く考えを表明して同意を求めた。 同社による10月の輸出CFR価格は、コントラクトものが同1,920ドル、スポットものが同1,980ドルであった。史上最高値であり、年初に比べると同350ドル前後上がったことになる。ABS樹脂向けの需要の拡大を支えに同社をはじめとしたAN各社が原料プロピレンの高騰分の製品転嫁に積極的に取り組んできたことによる。 原料プロピレンの価格は、ナフサの高騰によって11月も10月をいくらか上回る見通しにある。それにもかかわらず今回同社が輸出価格の据え置きを決めたのは、これ以上輸出価格を引き上げるとアジア地域のアクリル繊維メーカーを重大な窮地に追い込むことになると判断したからという。 現在アジア地域では、アクリル繊維メーカーの多くが需要の縮小と採算割れに対処して20%前後の操業短縮に踏み切っていると伝えられる。ポリエステル繊維の値下がりによってアクリル繊維の市場占拠率の低下が一段と進んできたことも少なからず影響している様子。このため同地域のユーザーの中には、逆に引き下げを求めるところも出かねない状況にある。 |